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この記事はコミックマーケットC97 1日目 南ユ 36b サークル「魔王14歳の幸福な電波」で頒布された、小説家になろうで連載中の作品「幻想再帰のアリュージョニスト」の二次創作合同同人誌「あつまれ!妄想妖精」に寄稿した、架空の交響曲の紹介文「交響曲(2139)」において、描写をオマージュした楽曲や、インスピレーションのもととなった楽曲を紹介する記事です。
未読の方は、Boothで通販して頂いていますので、ぜひご購入ください。
読んでくださった方で、「元ネタ」が気になるという人向けに記事を書きました。
興味を持ってくださってありがとうございます。
あくまでも「発想の元」という感じで、私の頭の中でも同じ要素を持つけどぜんぜん違う曲調で想像していたりなどあります。なのでみなさんがこの記事を見る前に想像していた音楽を否定するつもりはなく、どちらかというと皆さんの脳内で流れた音楽こそが正しい、みたいなところがあります。ほーんそういうのもあるのねという感じで参考にしていただけたらと思います。
作曲者について
アンサンブル・ヌーボー…管楽合奏と電子オルガンによる新しい合奏形態。洗足学園音楽大学で発足した。
第1楽章
全楽器の咆哮…ベルト・アッペルモント/ビッグ・バン
幻想的で煌めくアトモスフィア…ジョン・マッキー/セイクリッド・スペーシズ
※他にもジョン・マッキーの「オーロラ・アウェイクス」や「フローズン・カテドラル」など、キラキラした作風の曲があります。
二つの主題が完全な形で同時に演奏される…グスタヴ・ホルスト/ミリタリー・バンドのための第1組曲、第3楽章「行進曲」
トゥッティによる倍全音符で幕切れ。Dの音がデクレッシェンドしていき彼方に消えいる。…アントニン・ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」第4楽章 終結(「新世界より」では、Dではなく、Eの音)
ネクサス・システム(空間内の全ての人間の脳波を読み取る)…ラメズ・ナム「ネクサス」(SF小説)
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第2楽章
オフ・ステージ(舞台裏)のアルト・サクソフォンの無からクレッシェンドしてきたような延ばしの一音…エドワード・グレッグソン/サクソフォーン協奏曲 冒頭
フレーズの所々で「異音」が混ざる…フランティシェク・シュテルバーク/3つのソネット No.2「夜のソネット」
昔を懐かしむような暖かな音楽…エドワード・エルガー/エニグマ変奏曲より「ニムロッド」
第3楽章
電子オルガンによる四重奏…トビー・フォックス/メガロ・ストライク・バック
再現可能か怪しい高速のタンギングを駆使し、義腕・義手は高速のフィンガリング・スライディング…ピーター・グラハム/トライアンフ・オブ・タイム
第4楽章
奏者は楽器を置いて呟き始める…ピーター・グラハム/交響的情景「地底旅行」中間部…動画(リンク先の動画自体が楽曲の後半)の3分30秒あたり
グランカッサの音量が急激に膨らみ~スネアドラムとトロンボーンによる何かを予期させる速い音楽…エドワード・グレッグソン/剣と王冠 第3楽章「戦いの音楽と讃歌」 リンク先の動画の11分34秒あたりからが3楽章
変拍子によるバーバリックな音楽…デヴィッド・R.ホルジンガー/春に 王たちが戦いに行くに及んで
チェロ・コントラバス奏者たちが楽器本体をカホンのごとく叩いたかと…クリスチャン・ジャンテ/Bass, Bass, Bass, Bass, Bass & Bass
音量の限界かというほどの鋭い一音のあと禍々しい舞曲…イーゴリ・ストラヴィンスキー/バレエ音楽「火の鳥」より、カスチェイ王の凶悪な踊り
弦楽器・木管楽器・金管楽器・打楽器がそれぞれ順にフィーチャーされ…ベンジャミン・ブリテン/青少年のための管弦楽入門
木管楽器群と電子オルガンはまるで沢山の鳥がさえずるように…吉松隆/祝典序曲「鳥たちへのファンファーレ」
※鳥の声を模した音は他の吉松隆の楽曲にも登場する
まるで、雲の切れ間から光が差すように~終わりまで…イーゴリ・ストラヴィンスキー/バレエ音楽「火の鳥」より、終曲(カスチェイの城と魔法の消滅、石にされていた騎士たちの復活、大団円)
形式…基本的な交響曲の形式。特に、ベートーヴェンの交響曲第9番や、ドヴォルザークの交響曲第9番、そして吉松隆の交響曲第5番。
交響曲のテーマ…失われし世界の再演呪術。
失われたもののための交響曲として、インスピレーションを受けた交響曲。
ジェイムズ・バーンズ/交響曲第3番